2012年11月6日

日本人のフグ食の歴史をさかのぼっていくと、
なんと縄文時代の遺跡からも河豚を食べていた痕跡が見て取れるそうです。
それぐらい日本人は、河豚を昔からよく好んで食べていたのですね。
当然、ふぐの料理方法が確立していなかった昔には、
多くのふぐ中毒も発生していたと推測される訳で、
これを証明するように、「ふぐ食禁止令」が出されていたという歴史が、
各時代の文献から見つかっているようです。
例えば、1592年〜1598年の安土桃山時代には、朝鮮出兵した文禄・慶長の役の折りに、
肥前国に集まった武士が河豚中毒で死亡する事件が多発したことを受け、
激怒した豊臣秀吉公によって「河豚食禁止の令」が発布されました。
同様に、江戸時代にも河豚毒に犯されて死ぬというのは武士にあるまじき行為として厳しい禁止令が発せられ、明治の1985年には河豚を食べたものは拘置科刑に処すという「違警罪即決例」が施行されていました。
その後、下関で伊藤博史が食した河豚の味に感動して、1888年に山口県知事に働きかけ下関で解禁されて以来、
私たち日本人にとって、冬の定番御馳走として欠かせない料理となったのですね。
ーー参考文献ーー
書 名:フグはフグ毒をつくらない
著 者:野口 玉雄
出版社:(株)成山堂書店




